プロレス観戦をしているとこのような疑問を持ったことはありませんか?

ロープに振られたらなんで逆らわずに走るの?



なぜ相手の技を受けるの?
プロレスを全く知らない方や最近知ったばかりの方だと上記のような疑問を持つ人が多いことでしょう。
実はプロレスには「暗黙のルール」と言って「明文化されていないルール」があります。
今回の記事では、プロレスにおける暗黙のルールを一覧にして紹介します。
- プロレスの暗黙のルールについて
本記事を読むことで、プロレス観戦がさらに面白くなりますよ。



それでは、記事の最後までどうぞ!!
プロレスの暗黙のルール一覧
ここで紹介するプロレスの暗黙のルールは全部で7つあります。
具体的には、以下の通り。
- ロープやコーナーに振られたら流れに逆らわず走る
- 相手の技は受ける
- 相手がリングから場外に飛ぶ時は避けない
- 選手生命に関わる怪我がある箇所は攻めない
- レフェリーが見ていなければ反則技もOK
- 負け役が存在する
- 必殺技は返してはいけない
それでは、詳しく見ていきます。
ロープに振られたら走って戻ってくる
プロレスではロープに振られたらロープのバウンドを利用して振られた場所に戻ってこないといけません。
このロープに振る動きを「ハンマースルー」と言い、ロープに振られてから戻ってくるまでの一連の流れをロープワークと言います。
結論から言うと、自分の身を守るためです。
ロープに振られる際、振られた選手は胸ではなく背中でロープをバウンドさせて戻ってきます。
簡単そうな動きに見えますが、これが結構難しくて、一歩間違えると大怪我をしてしまいます。
なぜなら、ロープがめちゃくちゃ硬く、胸でロープのバウンドを受けると大きなダメージを負ってしまうからです。
そのため、背中でロープのしなりを受けてその反動で振られた場所に戻ってきます。
この動きをした方が身体へのダメージを最小限にすることが可能です。
ただ、何も知らない人から見れば、「暗黙の了解」と感じても仕方ないかもしれませんね。
相手の技は受ける
プロレスは相手の技を受けないといけません。
これも暗黙のルールの1つになります。
とはいえこれにも理由があり、大きく3つあります。
- 会場を盛り上げるため
- 受けの美学が根底にあるため
- 技を受けた方が安全な場合があるため
以前にこのような記事を書きました。


プロレスは「やらせ」「八百長」とか言われていますが、実際はそうではなく、「シナリオがあること」や「技をあえて受けること」にはそれぞれ明確な意図があって行われています。
なので、決して「やらせ」「八百長」ではないことを覚えておきましょう。
相手がリングから場外に飛ぶ時は避けない
相手がリングから場外に飛ぶ時は受ける選手は避けてはいけません。
例えば、以下のようなシーンを見てみましょう。
場外の選手はしっかりと飛ぶ選手を受け止めていることがわかります。
時には場外へのダイブを避けることもありますが、基本的には場外にいる選手は受けないといけません。
ちなみにこの理由は、場外へダイブする選手を怪我させないためです。
プロレスはあくまで魅せるスポーツであり、相手を怪我させたり叩き潰すことを目的としていません。
プロレスには「受けの美学」というものが根底にあります。
だからこそ、技をしっかりと受け止めて、観客にプロレスラーのすごさや頑丈さをアピールするわけです。
選手生命に関わる怪我がある箇所は攻めない
プロレスには「一点集中攻撃」というものがあります。
例えば、相手選手の膝に怪我を抱えている場合であれば、膝に集中攻撃します。
つまり、相手の弱点を長い時間かけて集中攻撃するわけです。
こうすることで、理に適った攻撃をすることができ、自分が勝利した場合の説得力がとても増す効果があります。
ただ、この「一点集中攻撃」は、相手を選びます。
仮にその怪我や故障が「選手生命に関わる怪我」の場合は、あえて攻撃しないことがあったりします。
最近で言うと、武藤敬司さんはそのような感じでした。
武藤さんは長年ムーンサルトプレスを武器に数々の試合を重ねてきたため、膝はボロボロで歩くのもままならない状態でした。
つまり膝の故障は「選手生命に関わる怪我」だったわけです。
晩年の武藤さんの試合を見返すとほとんど膝への攻撃がありませんでした。
このように、プロレスにおいて相手の弱点を一点集中で攻撃するのはセオリーではあるものの、その怪我が「選手生命に関わる怪我」の場合は攻めてはいけないと言う暗黙のルールが存在します。
レフェリーが見ていなければ反則技もOK
ここでいう反則技とは以下のことを指します。
- 凶器攻撃
- 急所攻撃
- ナックル(グーパンチ)
- セコンド介入による複数人で攻撃
主要なところはこの辺りです。
上記の攻撃は反則技に該当し、場合によっては一発で反則負けになります。
ただ、これはレフェリーが観測できる範囲に限る話で、レフェリーが見ていないところであれば反則負けにはなりません。
よくヒールレスラーがレフェリーの目を盗んであらゆる反則攻撃をしますが、これは「レフェリーが見ていなければ反則負けにならない」と言う暗黙のルールを利用したものになります。
これも暗黙のルールの1つと言っていいでしょう。
負け役が存在する
プロレスの試合ではどんな形であれ最終的に勝敗がつきます。
そして、試合の勝敗は以下の要素で決まります。
- 団体のプッシュ度合い
- 選手の格
- ストーリー展開
特にプロレスにおいて「格の高さ」は非常に重要で、試合の勝敗にも大きく影響してきます。
ただ、その名の通りトップレスラーが格の高さを維持するためには、試合で勝ち星を積み上げないと格の高さを維持するのは難しいです。
つまり、そのトップレスラーに勝ち星を献上するレスラーが必要なわけです。
そこで出てくるのが、ジョバー(負け役)になります。
このジョバー(負け役)がレスラーの格上げやトップレスラーの格の維持に大きな役割を果たしています。
また、トップレスラー同士のタッグマッチなどでは必ずジョバー(負け役)がパートナーとして入るため、試合の勝敗に直接関わることが多いです。
当然、ジョバー(負け役)の有無については明文化されていません。
このようなことをルールとして明記してしまうと、多くの人が興醒めしてしまいますからね。
だからこそ、ジョバー(負け役)の存在は暗黙のルールの1つに数えることができるでしょう。
必殺技は返してはいけない
プロレスラーにはフィニッシュホールドと呼ばれる必殺技があります。
例えば、オカダ・カズチカ選手で言うと「レインメーカー」、内藤哲也選手で言うと「デスティーノ」が必殺技にあたります。
オカダカズチカ「レインメーカー」
内藤哲也「デスティーノ」
タイトル戦の場合は必殺技であっても3カウントギリギリで返されることがまれにありますが、基本的に必殺技が出た時は返してはいけません。
プロレスを長く見続けているとわかることではありますが、明文化されている訳ではないため、暗黙のルールの1つと数えられます。
まとめ:プロレスには暗黙のルールがある
本記事では、「プロレスの暗黙のルール」について詳しく解説してきました。
まとめると以下の通り。
- ロープやコーナーに振られたら流れに逆らわず走る
- 相手の技は受ける
- 相手がリングから場外に飛ぶ時は避けない
- 選手生命に関わる怪我がある箇所は攻めない
- レフェリーが見ていなければ反則技もOK
- 負け役が存在する
- 必殺技は返してはいけない
文字通り「暗黙」なので、プロレスのルールブックに書いているわけではなく、プロレスをある程度長く見ていないとわからないことばかりです。
ただ、それぞれしっかりとした意図があって暗黙のルールとして存在しているものになるので、グレーな印象を抱きつつもどれもプロレスを楽しむ1つの要素になります。
プロレスの暗黙のルールを知ることで、さらにプロレス観戦が面白くなると思うので、ぜひ本記事を通して理解してみてください。
それでは、今回の記事はここまでにしたいと思います。
楽しいプロレスライフをお送りください。